Drama 02 — The Sanctuary

帰りたくなるオフィス

その場所は、何もせずとも完璧だった。
誰もが憧れるスターの城。
メトロポリタンの中心部にあり、
洗練された非の打ち所のない空間。

しかし、そこには「呼吸」が足りなかったのかもしれない。

「もっとアーティスティックに、もっと生命力を」

そんな願いから、
マミ山本とスター歌手の運命が交差した。

I. A flawless silence

マミが持ち込んだのは、圧倒的な芸術性と、
グリーンが放つ柔らかな生命力だった。

そのスターが求めたのは、マミの手による「芸術的で温かみのある空間」だった。
奥様もまた、その空間に宿る優しさに
深く共鳴してくれた。

物語は自宅の壁を越え、ビジネスの現場へと波及する。

「自分たちだけが癒されるのではなく、
共に戦うスタッフにも、
この居心地の良さを届けてあげたい」

それは、常に第一線で走り続ける夫を支える、
奥様からの温かな進言だった。

こうして、スターが自ら立ち上げた会社のオフィスに、
マミ山本の手がけるアートとグリーン装飾が
施されることとなった。

単なる装飾ではない。

それは、スターという重い鎧を脱ぎ、
一人の人間に戻れる「聖域」の拡張。

II. The sanctuary, expanded

装飾が終わった後のオフィス。
スタッフがふと目を上げたとき、
そこにはマミの手がけたグリーンと、
社長の想いが息づいている。

後日、メンテナンスで訪れたときに、
スタッフの一人が、僕らの前でつぶやいた。

「家に帰りたくなくなるオフィスになっちゃったじゃないですか」

その顔からは、笑みがあふれ出ていた。

「今日もここで戦おう」ではなく、
「ここなら、明日も帰ってきたい」
僕らが創り上げたのは、
そんな奇跡のような景観だった。

III. A place to return to